松山ケンイチに惚れた。
ユリに恋するみるめを演じた松ケンに。
とろとろのふわふわでかわいかった〜。
公開前から言われてた、永作さんに恋した松ケンの気持ちが分かる。
まず、『犬猫』の撮り方が結構好きだったので、同じ監督さんだから安心できた。
それに、内容を観る前から想像出来る絶妙なキャスティング。
なんて100%な人たちを選んできたんだろうって。
実際映画を観たら、本当にこの人たちだよなぁと思える納得具合。
これ以上のキャスティングはない。
全編通してキスシーンのみだったけど、それがかえって良かった。
原作ではリアルな描写があったりするのだけれど、そこを見せないのがいい。
で、その手前を丁寧に撮ってるのが余計にいい。
服を脱ぐのに恥らうみるめに対し、潔い脱ぎっぷりのユリ。
電気を消したりつけたりするくだりも好き。
基本的に、アトリエで過ごす2人は微笑ましくて、和んで、癒される。
一番最初にアトリエに来たときも、みるめの服を当然のように脱がすユリが滑稽だ。
それに戸惑うみるめ。
ここの掛け合いが面白い。
みるめを追っかけるえんちゃんが切ない。
目の前で、自分の好きな人が他の人と歩いてるのもショックだけど、それよりもどうしようもなさが一番辛い。
振り向いてもらえないと自分でも分かっているのに好きだという現実。
みるめとユリの関係に落ち込んだり、みるめに八つ当たりしちゃったりするけど、一番みるめにまともな励ましをするのもえんちゃんだ。
会いたければ会いに行けばいい、電話に出たかったら出ればいい。
そんなシンプルな答えを、えんちゃんは悩むみるめに言う。
車のバックが異様に上手い、堂本役の忍成くん。
『犬猫』に続いての登場。
井口監督、忍成くんの魅力をよくご存知で。
こういう普通の男の子の役が実は似合っちゃうのが忍成くんの魅力だと思う。
自然体を不自然に演じない、本当に自然な姿。
ほんわかした雰囲気が好き。
何気に、猪熊さん役のあがた森魚がいい味出してる。
信玄餅の食べ方のマイペースさに和んだ。
そして、ユリ。
永作さんの小悪魔的魅力が満載。
このユリは、永作さんの為にあるようなキャラクター。
不倫だし、えんちゃんがみるめを好きだと分かっているのにみるめに手を出す。
なのに、全く嫌味じゃない。
ユリの人柄か永作さんの演技力か。
多分どっちもなんだろうけど。
それよりも、何故か共感できる。
確かに、みるめくんに触ってみたいもん。
だからユリの気持ちが分かる。
で、みるめだけど、松ケンはサイコーにいいよ。
今まで松ケンにさほど興味はなかったし、主演作を観たのもこれが初めて。
『ユメ十夜』とか『サウスバウンド』とかはちょっとだけだったし。
なんで人気があるのか分からなかったけど、『人セク』でハマった。
すんごい可愛い。
ユリに恋するみるめに私が恋したって感じ。
あと、喋り方も好き。
仕草も立ち姿も。
ストーリーは原作と違うところもあったけど、こっちも好き。
可愛いし、笑えるし。
とぼけたようなところが面白い。
みるめを誘いにきたえんちゃんとのやり取りとか、ユリがみるめにリトグラフを教えるところ、ベッドを膨らましてるみるめを邪魔するところ、自転車の後ろに乗ってるみるめにマフラーでバシッとやるところ(そこもユリはとぼける)。
挙げたらキリがない。
たくさんのいとおしさが詰まった、丁寧な作品。
挿入歌の『ANGEL』は、公開前からずっと聴いている。
映画の雰囲気にすごくよく合っている。
エンディングよりもずっといい。
もう一度2人を観たくなってしまった。
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