序盤の谷村美月の存在さえ我慢すれば、いかにも邦画っぽくて好きだった。
普段の何気ないことを大切に撮っていて、大恋愛ものよりも、こういう静かで、もどかしくて、可愛らしいラブストーリーの方が断然素敵に思う。
まず、岡田准一。
俳優色の方が強い彼は、もうすっかりアイドルっぽさがなく、落ち着いた大人の男の子。
そこにいるだけで画になるのに、動いてても、喋っても、素敵な男前。
『木更津〜』のようなバカッぷりよりも、『東京タワー』の大人びた役よりも、等身大の“野島聡”の岡田くんは安心して見ていられる。
麻生久美子。
彼女の声は透き通っていて、聞いていて心地が良い。
『風をあつめて』の鼻歌も、かなり可愛かった。
玄関を閉めたときのあの音。
麻生さん演じる“七緒”にピッタリ。
同じ30歳、独身女性として、七緒のように仕事に一生懸命なのは分かる。
恋愛はしないんじゃなくて、したいけど、新しく踏み出す勇気もない。
そんな微妙な年齢の女性を、麻生さんが可愛く演じていた。
観終わった頃には、麻生さんのファンになっていた。
日常の音。
この映画に出てくる音は、どれも心地良いもので、それが生活の一部になっている。
なくなると寂しいし、物足りない。
音を通じてお互いを感じ、想う。
邦画にしか表現出来ない題材の作品だなぁと思った。
ちなみに、私の大好きな郭智博くんも出演。
事務所の後輩役で。
『虹の女神』に引き続いての役どころ。
やっぱりメガネが似合う。
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